ご挨拶
この度、ARO協議会第10回学術集会を2023年8月25日(金)・26日(土)の2日間、慶應義塾大学医学部信濃町キャンパスとオンライン同時配信のハイブリッド形式で開催させていただくことになりました。
一般社団法人ARO協議会はライフサイエンス分野におけるイノベーション創出を活性化するため、全国のアカデミアのネットワークを構築し、その連携推進を図り、より安全かつ有効な医療の実現を通じて国民の健康と公衆衛生の向上に資することを目的として2013年に設立されました。COVID-19による1年の延期もありましたが毎年学術集会を開催しており、橋渡し研究支援機関や臨床研究中核病院等を中心とした法人学術会員も 20 機関以上に増えるなど堅実に発展を続けております。
第10回の節目となる今年の学術集会は、メインテーマとして「AROの過去・現在・未来」を掲げ、アカデミア発のイノベーションを実用化させるために不可欠な産学官のコミュニケーションの活性化を促してきたARO協議会の過去を振り返り、現在の置かれている立場を再認識するとともに、未来に向けてAROとして何が必要かを議論します。ベンチャー企業支援、臨床開発支援を担う皆様の情報共有並びにスキルアップを図る機会にもしたいと考えております。また、東日本における再生医療等推進の旗頭を目指す当院ならではの企画として、医薬品や医療機器だけでなく、新しい医療を実現する可能性が期待される再生医療の提供にむけて、開発成功に資する重要な視点について共に学ぶ機会も提供致します。プログラムについては、会長シンポジウム、特別講演、シンポジウム、各専門家連絡会主催のセミナー、ランチョンセミナー等を予定しております。アカデミアのみならず、産学連携に関心がある企業の皆様方にも積極的にご参加いただける企画をご用意いたしております。
また、サブテーマとしては福澤諭吉の説きました「自我作古」を掲げます。「我より古を作す(われよりいにしえをなす)」と訓み、前人未踏の新しい分野に挑戦し、たとえ困難や試練が待ち受けていても、それに耐えて開拓に当たる重要性とその勇気、使命感を表しています。日進月歩の技術革新や、COVID -19のパンデミックなど世界の大きな変化のただ中にありながら、はるか未来を見据えて日々研鑽する我々AROと、自らが歴史の新たな一ページを切り拓いてゆくというフロンティア精神をうたったこの言葉には通ずるところを感じます。この「自我作古」は、慶應義塾の建学の理念のひとつでもあります。自我作古の精神が息づく当学にて開催される学術集会に、ぜひご参加いただきますようお願いします。
ARO協議会第10回学術集会
会長 長谷川 奉延
(慶應義塾大学病院臨床研究推進センター センター長)